アウロラ

アウロラのスタイルというボールペンは、「入門者向けには大変良い」

アウロラのスタイル

「来た・見た・捨てた」が、アウロラのスタイルというボールペンの運命です。

予想通り、お嬢様にお渡ししていたクロスのアベンチュラと交換(自分の手元から投げ捨てた)という結果になりました。

カラーも豊富だし、ボールペン入門者向けには使いやすい形状なので、その点では高評価は与えます。若者に人気が高いのも理解できます。

しかし私としては事務用ボールペンの次ステップとしては、やはりイプシロンがオススメとなります。(理由は後で)

そうはいっても予算の関係でスタイルを選ばざるを得ない方も多いでしょうから、少しでも楽しく使うためのTIPSなども含めて紹介させて頂くことにします。

なおこの価格帯のボールペンとしては、さすがにパーカー互換芯(G2芯)を使えるアウロラのスタイルは大変魅力的です。

若者向けの理由

私が入手したアウロラのスタイルは、遠くから見たら普通の高級ボールペンです。実は、出来ればレッド(赤)インクで使えれば嬉しいと思って調達しました。

その期待は見事に叶えられました。深みのある赤色はビジネスでも立派に通用します。奇麗です。見ていて楽しいです。

ボディは中心部が太くなっており、握ると普通のボールペンよりも少しだけ垂直に近くなるような形状です。ボールを転がすために60-90度が理想的な筆記角度であるボールペンにとっては、嬉しいことです。

重さも23gで、モンブランのマイスターシュテュックという高級ボールペンと同程度の重さです。入門者向けには理想的なボールペンだと言い切っても差し支えないかもしれません。

アウロラのスタイルとモンブラン

もちろん中太なスタイルなので、小さな手で持っても快適です。小学生高学年ならば、普通に使えることでしょう。ここら辺もポイントが高いです。

そして若者に最も受けるのが、さまざまなカラーバリエーションがあることです。ホワイトもちろん、アメジストや蛍光イエローっぽいボールペン軸も販売されています。目の保養になります。

もとよりアウロラはイタリアのメーカーで、オプティマシリーズや大陸シリーズのカラーバリエーションには特筆すべきものがあります。

明るい色の本体軸を持って、暗い気持ちになるのは私くらいでしょう。豊富なカラーこそが、アウロラのスタイルの最も高評価できる点です。

粗末なクリップとデザイン

アウロラはパーカー互換芯(G2芯)を採用しています。このためにタンク式のジェットストリーム替芯とか、豊富な替芯を使用できます。これに対しても、高評価を与えて良いでしょう。

しかし… これは逆にいうと、自分の会社の替芯を販売することによって売上や利益を出せないということです。

だからボールペン軸だけで商売することになるので、お手頃な販売価格を維持するためには部品代や加工代を節約する必要が生じます。

その結果として悲しくなるのが、クリップの接合部分です。最近では百均のボールペンでも、こんな加工にはお目にかかることが少ないです。

アウロラのスタイルのクリップ部分

左側のボールペン軸が、アウロラのスタイルです。クリップ部分の穴には磨き加工をしていないし、斜めになった後端部分の金属もメッキが薄そうです。

遠目にみれば、見た目は高級ボールペンです。しかし会議で隣り合った人などが見たら、クリップ部分の磨き加工がないことは一目瞭然です。百均ボールペンだと思われても、仕方のない仕上がりです。

したがってこの部分は、細軸のマジックへ未加工の部分を塗るとか、最初からホワイト色のボールペン軸を購入するとか、工夫することが必要となります。

ちなみに画像の赤いスタイルには、未加工部分に赤マジック(水性)を塗っています。幸い塗装ハゲを心配しなくて良い部分なので、油絵の具などを詰めてみても良いかもしれません。

それからデザインを素晴らしいと評価する人もいますが、これってどこか感心させられるポイントはありますでしょうか?

クロスとアウロラ

ちょっと斜めから撮影したのでサイズ感がおかしくなっていますが、スタイルの手前がクロスのボールペンです。真ん中がアベンチュラというモデルで、一番手前がATXです。

私個人の感覚かもしれませんけど、米国筆記具メーカーのクロスの方が、遥かにデザインが洗練されています。それにツイスト式を採用しているので、使っていて高級感があります。

スタイルのノック式も悪くはないですけど、会議の席上でカチカチと音を鳴らすことになります。そこら辺の多色ボールペンと、全く変わるところがありません。

(いや、音が立つのに単色なのは、なかなか哀しいかも)

おまけにスーツや作業服を着て仕事するようなところだと、アメジスト色などは違和感があります。若いうちは良いでしょうけど、ずっと「マイボールペン」として使い続けるには無理があるでしょう。

まあボールペンは「書けてナンボ」の筆記具です。その点で実用性に問題は全くありません。むしろ超優秀です。

パーカー互換芯のおかげで低粘度油性インクのジェットストリームが使えるし、イタリア的な観点でみれば「全然オッケー」なボールペンです。

そしてこれよりも本体カラーの点で優れたボールペンの存在を、私は見たことがありません。頑張ってクリップ部分を何とか出来れば、お気に入りの一本とすることが出来るでしょう。

(このクリップ部分の粗さをどうやってカバーするかで、スタイルというボールペンの価値が大きく変わります)

ちなみにジェットストリームエッジの0.28mm替芯は、先端のプラスチック部分を相当頑張って削らないと装着できません。

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ボールペン本体軸の中太なスタイルが0.28mmのジェットストリームエッジに向いているだけ、残念です。もちろん何回か挑戦すれば簡単に加工できるようになります。

そう考えると逆にプレゼントや贈り物にして、彼氏や彼女に頼まれるたびに替芯作成して尽くすというパターンもアリかもしれません。

(私があと数十歳だけ若ければ、試してみようと思ったかもしれません)

まとめ

以上が若者向けにアウロラが打ち出した、スタイルというボールペンでした。

最近はパソコンやスマホの普及により、鉛筆に不慣れな若者も増えました。そういう人には太軸の方が使いやすいので、入門者向けには理想的と言えます。

ただしクリップ部分の粗末さを何とかしないと、プレゼントや贈り物には出来ません。

あ、このホワイトであれば、削って白くなった部分は目立ちません。それからブラックも、マジックで未加工部分を見えなくすることが可能でしょう。ホワイトデーの贈り物としては、手頃で大変良い選択と言えます。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静